任意整理と債務整理の違い

任意整理とよく似た言葉に「債務整理」という言葉がありますが、実際のところ債務整理と任意整理では何が違うのか??という点をここでまとめていきたいと思います。
まずは、図解が一番解りやすいかと思いますので、下記の図をご覧下さい。

上記の通り、債務整理の手段の一つに任意整理があり、任意整理を行う目的としては、「裁判所などの公的な機関の仲介をなしに、借金の帳消し、減額、将来に渡る利息カットなど、債務者の利益になるような和解条件を債権者との間で取り交わす」のが一番の目的と言って良いかと思います。
そして、債務整理の中には、以下の様な手続きもあり、もし任意整理での手続きが難しい場合は、これらの手続きを考える事も検討する事となります。

  • 特定調停 裁判所から調停委員と呼ばれる仲介者が債権者と債務者の仲介をし、和解のために色々と考えてくれます。
    言い換えれば公的機関バージョンの任意整理というものです。
  • 自己破産 破産法に則り、破産手続開始決定から、同時廃止、少額管財もしくは管財事件を経て、免責許可決定となる事で、債務の免除となります。
  • 民事再生 再生手続開始決定、再生計画案の提出、再生計画認可決定の確定が行われる事で、債務を大幅に圧縮する事が出来ます。
    小規模個人再生手続と給与所得者等再生手続と2種類の手続きがありますので、いずれかより手続きを開始します。
手続きの差で見る、債務整理と任意整理の違い

次に、債務整理と任意整理の違いについて、手続きによる違いで見ていきたいと思います。
まず、債務整理の手続きで、任意整理、自己破産、民事再生の手続を行う場合は、弁護士や司法書士が受任するケースでは、債権者へ「受任通知」を発送する事で手続きを始めていきます。
一方、特定調停の手続きをする場合は、裁判所に申し出てから、裁判所より通知の発送が債権者に行われて、手続きを始めていきます。
上記の違いがある事から、すぐにでも借金問題の解決に取り掛かりたい場合は、若干のタイムラグが発生する可能性があります。

費用の差で見る、債務整理による違い

次に、費用の差で債務整理それぞれの手続きによる差を見ていきたいと思います。
※ここでは弁護士費用を考えず、ご自身で手続きした場合にどれくらいになるのか??という点で比較したいと思います。

任意整理
  1. 内容証明郵便の送付代(1社あたり1,000円~2,000円程度)
  2. 和解に関わる印紙代ですが、業者によっては請求してくる可能性があります。
  3. その他実費(通信費や交通費など)
特定調停
  1. 申立手数料(収入印紙) 個人が申し立てる場合は、相手方1社につき、500円分の収入印紙が必要となります。
    ※1社あたりの債務額元本が、1,666,666円を超える場合は、追納となりますので注
  2. 手続費用(予納郵便切手) 1社で1,500円、1社増えるに付き、追加の金額がかかります。
自己破産
  1. 収入印紙(申立手数料) 1500円分 免責許可の申立てをしない場合には1,000円
  2. 郵便切手 裁判所ごとに違いますが、10,000円前後は見ておきましょう。
  3. 破産予納金(官報公告料) 10,000円~20,000円(裁判所ごとに違います。)
民事再生
  1. 申立手数料(印紙代)として10,000円
  2. 裁判所に予納するお金(予納金)は、「個人再生委員が選任される場合」と、「個人再生委員が選任されない場合」で金額が違います。
    30万円前後(個人再生委員の報酬+官報公告費用)か、20,000円前後(官報公告費用)です。

 

手続きを自分で行う場合は、費用面を見ると特定調停がオススメ!

複雑な債務整理を考えず、費用を少しでも抑えながら手続きを行いたいと考える場合には、「特定調停」が一番費用が安くて済みます。
一方、他の債務整理の手続きは、自分で手続きをするには、債務者から色々な資料を集めたり、交渉をしたりと、かなりの時間も取られますので・・・ご自分でするのはあまりオススメできません。
特定調停以外の任意整理、自己破産、民事再生の手続きをする際には、費用はかさみますが弁護士や司法書士へ相談した方が、満足のいく結果を得たり、必要以上の時間や労力を取られる事がありませんので、オススメできるかと思います。
その際は、少しでも費用を抑えたり、自分の信用がおける専門家を探すためにも、任意整理 トップページでも紹介している事務所選びのコツを参考にしながら手続きを進めて頂ければと思います。